2010年12月9日木曜日

Japanese Animation

東京都は11月30日(火)にマンガやAnimationの性表現を規制する「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の改正案を都議会に再提出しており、現在審議が行われています。多くの団体や作家、業界関係者などから改正案の内容について反対の声が上がる中、角川書店の井上社長は自身のTwitterで次のようにコメント。来年の「東京国際Animationフェア2011」(実行委員長・石原慎太郎東京都知事)に同社が出展しない意向であることを明らかにしました。
「新世紀エヴァンゲリオン」「涼宮ハルヒの憂鬱」など数多くの人気作品を出版し、イベントの実行委員にも名を連ねている角川書店が発表した“出展取りやめ”。はてなブックマークのコメント欄では「角川書店ははっきりした行動に出るなぁ。評価できる」「角川△!」と今回の決断を評価する声や、「出版社側からの動きが来ましたね」「角川の抜けた穴を自分たちが取ろうとするか、角川に続いて石原都政にもの申すのかで、Animation関係者の立ち位置が決まるかも。これは強烈な踏絵」と他社の動きに注目する声が数多く寄せられています。
子どもから大人まで多くの人に親しまれている人気アニメ「ケロロ軍曹」。地球を侵略しにきたというカエルのような宇宙人(ケロロ軍曹)が登場し、少女・夏美との間でおかしな騒動を繰り広げます。日本のアニメや漫画が人気の韓国でも、ケロロ軍曹はよく知られる作品。現在もアニメ専門番組「Tooniverse」で放送されていますが、ケロロ軍曹が「軍服」を着て「侵略を図る」という部分に、違和感を感じる人もいるようです。
Animation好きだというキムさん(韓国人男性)は、ケロロ軍曹に登場するキャラクターと、日韓併合が行われた当時の日韓関係を重ね合わせます。
「まず、キャラクター設定。ケロロ軍曹がかぶっている帽子は、朝鮮人を殺戮(さつりく)した旧日本軍が着用していた軍帽であり、ケロロ軍曹はまさに日本軍と言えるでしょう。日向家(夏美の家族)は昔の朝鮮。漫画ではケロロが夏美の家に居候しますが、それはまるで侵略された当時の朝鮮です。夏美の母親は、親日派や当時の政治家を象徴。生計を理由に家の出来事について無関心ですが、決定的な役割を果たします。
Animationのヒロインである日向夏美は、当時の慰安婦です。魅力的で活発、一家の実質的な家長ですが、ケロロ軍曹により毎日振り回されてしまいます。夏美の弟である冬樹は、独立運動家など昔の韓国人男性。体は弱いけれど核心を突く鋭さを持ち、ケロロが最も恐れる人物です。ストーリーを見ると、ケロロ軍曹は地球侵略を図ろうとするのですが、それは「弱小国家の保護」を大義名分として正当な侵略を図った日本のよう。『ケロロ軍曹』は歴史を操作しようとしているように感じます」。
ジョンさん(韓国人男性)は、キムさんの意見を否定します。「Animationをよく見ると、ケロロ軍曹はさまざまな作戦を企てますが、結局は失敗に終わっています。これは帝国主義を否定しているものではないでしょうか。それに、軍服や軍帽は旧日本軍の象徴ですから、日本のAnimationで軍人を表現するときに、このような要素が出るのはおかしなことではありません。Animationでは、ケロロ軍曹と夏美が友達となり、仲良くなるというストーリーが描かれています。ケロロ軍曹のキャラクターを日韓に置き換えるのならば、日本と韓国は友達になれるということです。ケロロ軍曹をそんなに悪意を持って見なくてもいいのではないでしょうか。一番強く言いたいのは、『ケロロ軍曹』はAnimationに過ぎないということです」。
日本の漫画やAnimationは、韓国でも高い人気を誇ります。ファンが多い分、ストーリーやキャラクター設定などについても、活発な議論が行われます。